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こんにちは!イラストレーターの永盛です。
今回は「りゅうたまのルールブック製作で苦労した事を書いてください」
との事なので、そのあたりの記憶を掘り起こしてみようと思います。
以前に「すべては竜から生まれ竜に還る」や「いきもの地球紀行」
の記事でも書いた事がありますけども、苦労点といってまず頭に浮かぶのは
なんといってもドラゴンの外見デザインをたくさん作り分けないといけない事でした。
人間キャラを何人もデザインするのはそれ以前にやった事が無くもないのですが、
ドラゴンを・しかも1匹でなく20種類以上・しかも「森と林と密林の竜を別々に」
というように要素のかぶりやすい題材を差別化し、さらにモノクロ絵で描いた場合でも
はっきり差がついて見えるように…というのはなかなか難題でもありました。
昔からドラゴンというのはものすごく好きな題材の一つだったので、
それを何体も考えるのは苦労すると同時に楽しい作業でもあったのですが。
ともあれ脳内の引出しや本棚の資料本の中から、使えそうなモチーフを
思いつく限りひっぱり出し、それらを切ったり貼ったりこね回したり投げ捨てたり…
という試行錯誤を経てあのドラゴン達が誕生しています。
(たとえば密林竜の頭の形はパフィオペディラムという蘭の一種を、
林竜の背中に並んで生えた枝はポリプテルスという古代魚の背鰭の形を、
沼竜のボケっとした顔つきはコリドラスというナマズの仲間の顔を、
それぞれヒントにしています)
ただ、地形のドラゴンの外見を作っている時にやや難しいなと思ったのは、
現実の動物からの引用に頼りすぎるとどうもファンタジー感が出ないというか
「自然をつかさどる精霊のような存在」という印象に見えにくい事でした。
「現実にこんな動物がいそう」というコンセプトでデザインされた
リアル系ドラゴンというのもまた別の魅力があるのですけれど、
りゅうたまの地形ドラゴンには超常的な気配が欲しかったので
(足が6本あるとか、体の一部がそのまま植物や鉱物になっているとか)
大抵どこかに非現実的要素が入るよう意識してデザインした記憶があります。
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そういう作業をしている時には、たまたま目にとまったどうって事のない物が
案外ネタのきっかけとして役立つ事もあります。
その一例がこれ。
これは以前にメキシコに旅行に行った時、市場で買ってきた貝細工の鳥です。
とぼけた顔と虹色光沢のきれいさが気に入っているのですが、
実はこの鳥が、りゅうたまの「晴の竜」の直接のモデルだったりします。
晴竜については「晴や太陽をつかさどる竜で、なおかつ神々しいというより
小さくて可愛いドラゴン」というのがデザイン時の前提条件だったのですが。
どうやったら『晴れ』という要素を外見に反映した竜になるか…?
というのがなかなかうまく思いつかず、難儀した所でもありました。
そんな折、自宅の玄関に置いてあったこの鳥をふと見た時に
「あ。この鳥の尾羽根って、見ようによってはお日様みたいだ!」
と気付き、そこから晴竜の外見デザインが生まれたという次第です。